コラム

 公開日: 2015-08-15 

特許のライセンス契約の注意点。独占か非独占かが肝。

ライセンス契約の独占と非独占

ライセンス契約を行うにあたって、「独占」とするか「非独占」とするかは、非常に重要なポイントになります。
これは、得られるライセンス収入の過多のみならず、権利の行使にも関わるポイントであるため、自社の特許戦略に基づいた慎重な取り決めが必要となります。

専用実施権と通常実施権

特許法では、他人へのライセンスを実施権として規定しています。
その項目を詳しく見ると、まず、特許法には「専用実施権」と「通常実施権」という大きな2つの枠組みがあります。
さらに特許法には規定されていませんが、通常実施権には、「独占的通常実施権」と「非独占通常実施権」という枠組みがあります。
それぞれの違いを把握したうで、適切な契約を結ぶようにしなければなりません。

専用実施権

専用実施権をライセンスされた他人(専用実施権者)は、特許権者と同等の独占的・排他的な権利を得ることができます。
つまり専用実施権を他人に与えた場合、その他人は独占的に特許発明を実施でき、独自で差止請求や損害賠償請求まで行えるようになります。
ここで注意するのは、専用実施権を他人に与えた場合には、特許権者も特許発明を実施できなくなることです。
このように、専用実施権は、非常に強い権限を他人に与えてしまうので、専用実施権をライセンスする場合には慎重な判断が必要です。

通常実施権(独占・非独占)

一方で通常実施権は、専用実施権のような独占的・排他的権利でなく、単純にライセンスされた他人が特許内容を実施することができるという権利です。
通常実施権を他人にライセンスしても、特許権者は特許発明を実施できます。
また、同一の内容で複数の人に通常実施権をライセンスすることもできます。
ただし、通常実施権のライセンス契約で、「独占的通常実施権」として契約することができます。「独占的通常実施権」をライセンスした場合には、契約内容にもよりますが、他の人には同じ内容のライセンスはできなくなります。
なお、「独占的通常実施権」としてライセンス契約しても、法律上は通常実施権に過ぎませんので、特別な契約をしない限り、特許権者は特許発明を実施できます。この点から、専用実施権よりも特許権者にとって使いやすいライセンスになります。

独占と非独占の判断をどうするか

専用実施権や「独占的通常実施権」のように、独占的なライセンスの場合はライセンス先を一社に限定するわけですから、一般的に非独占のライセンスに比べてライセンス料は高額になります。

ただし、独占的なライセンスの場合、ライセンス収入を一社のみに絞ることになり、ライセンスの収入がその会社の経営状況に依存してしまうというリスクも抱えます。したがって、リスク回避を考えれば、ライセンス提供する技術内容やライセンスする地域を適切に区切って、別の会社にそれぞれ独占契約するような戦略も考えられます。

一方で、非独占的なライセンスを複数社と契約して、複数社からライセンス収入を得るようにすれば、リスクヘッジにもなり、トータルのライセンス収入が増える可能性もあります。

したがって、ライセンス契約にあたっては、自社利益の最大化を念頭において、独占・非独占の判断も含めて、契約内容をしっかりと検討することが必要になります。
また、ライセンスの際には技術指導を伴う場合もあります。このような場合、自社の技術の漏洩というリスクが発生しますので、「改良発明(当該特許技術をもとに改良して得られた発明)」の開示や実施の取り扱いについても定めておくこともあわせて重要なポイントとなります。

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