コラム

 公開日: 2015-08-26 

特許の共同出願。注意点は?

特許の共同出願とは

特許の「共同出願」とは、その名のとおり複数人(社)の共同にて特許の出願を行うことを指します。

通常、特許出願は単独名義で行われますが、例えば研究者複数名での発明や、複数企業での共同開発における発明などの場合に共同出願が用いられます。
ほかにも親会社との共同出願、重要取引先との共同出願なども見られます。また近年は、大学と企業による共同出願も多く見られるようになりました。

なお、共同開発や共同研究の生花であっても、必ずしも共同出願する必要はなく、発明が生まれた状況などによって特定の出願人が単独で出願できるので、注意が必要です。

共同出願の特徴

まず、特許を共同出願した場合でも、特許出願の変更や取下げといった「不利益行為」と呼ばれるものを除いて、各出願人が単独で行うことが可能です。この手続をした人は共同出願の共有者全員を代表したことになります。

また、特許権を取得したのち、特許技術の実施にあたっては、原則として他の共同出願人の同意を得なくても権利の実施をすることができます。共同出願人であれば、当該特許技術を自由に使用することができるのです。

ただし、なかには他の共同出願者の同意を得なければ行うことができない行為もあります。まずは、自身が持っている権利の持分を他者に譲渡することは、他の共同出願人全員の同意がなければできません。また、第三者に対する特許のライセンス契約についても、他の共同出願人全員の同意が必要になります。

デメリット事例と事前の取り決めの重要性

では、具体的に共同出願によってどのようなデメリットが生じるのでしょうか。例えば、当該技術を開発した会社(A社)と、その技術を用いた製品の製造を受け持つ会社(B社)が共同で特許を持っているとします。

共同出願時に別段の取り決めがない場合、B社はA社の同意なく特許を使用し製品を販売することができます。一方、製品の製造設備を持たないA社は単独では製品を製造・販売できません。
だからといって、A社は、その別の他社にライセンスして製品の製造を依頼することは、B社の承諾なしにはできません。このように立場の違いによっては利益の不均衡が生じてしまうのです。

こうした事例を防ぐためには最初に「共同出願契約書」を共同出願者の間で取り交わし、個別具体的な利害の調整を図っておく必要があります。場合によっては、自社が実施できない場合には、権利の持分に応じたライセンス料を支払っていただくように、取り決めておくことも必要となります。

この記事を書いたプロ

中井国際特許事務所 [ホームページ]

弁理士 中井博

香川県高松市国分寺町新名440-21 松岡ビル3F [地図]
TEL:087-874-3377

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
中井博 なかいひろし

知的財産の正しい理解と、保護をサポートする専門家(1/3)

 「知的財産」という言葉を耳にしたことはありますか。これは、人が生み出した価値のある情報のことで、例えば、私たちの生活を豊かにするような新しい技術やアイデア、気持ちを豊かにする音楽や小説など、身の回りのさまざまなものが含まれます。しかしこれ...

中井博プロに相談してみよう!

テレビせとうち マイベストプロ

機械分野の専門知識を持ち、機動性に優れたサポートに強み

会社名 : 中井国際特許事務所
住所 : 香川県高松市国分寺町新名440-21 松岡ビル3F [地図]
TEL : 087-874-3377

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

087-874-3377

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

中井博(なかいひろし)

中井国際特許事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
媒体特許とその定義について

 媒体特許の概要と経緯 一般的に「媒体特許」と呼ばれるものは「ソフトウェア媒体特許」のことを指します。ソ...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

特許取得のプレスリリース。タイミングを間違えると出願ができない場合も

 プレスリリースを早まるべからず 特許取得は非常に大きなPR効果を生むため、少しでも早く宣伝広報にも手を打...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

特許の拒絶理由通知。あきらめずに専門家へ相談を

 拒絶理由通知書は審査落ちではありません 特許の出願をしたあと、審査の結果「拒絶理由通知書」が送られてき...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

特許侵害された時の対応

 特許侵害を受けた場合の具体的対応 前回のコラム欄で、自社特許の侵害が疑われる際の初動対応について紹介し...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

特許を侵害されたと感じたらまずどうするか?

 他社の特許侵害を疑ってもまずは慎重な行動を 自社が持つ特許を「侵害されているのでは?」という事例が判明...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ