コラム

 公開日: 2015-09-17 

媒体特許とその定義について

媒体特許の概要と経緯

一般的に「媒体特許」と呼ばれるものは「ソフトウェア媒体特許」のことを指します。ソフトウェアとは、形がないプログラム又はデータが保存された記録媒体(CD-ROM等)のことを指します。
従来の特許法では、創作物そのものに実体のないソフトウェア媒体単体では特許が取得できず、ハードウェア(コンピューター)と一体的なものとして扱うことで特許取得ができる形になっていました。

ただし、この形だとCD-ROMなど記録媒体のみの形で当該特許技術が市場に流通した場合に、権利侵害で訴えられないという問題が表面化しました。そこで1997年にルールが改正され、プログラムやデータを記録したソフトウェア媒体のみにも特許が与えられるようになりました。

さらに、近年ではCD-ROMなどでのソフトウェアのやりとりのほか、ネットワークを通じたダウンロード販売なども主流になっています。そのため2002年には、ソフトウェア媒体を介さずに取引されるプログラムについても特許が与えられるようになっています。

ソフトウェア媒体特許の取得ポイント

ソフトウェア媒体特許は、プログラムのソースコードやネットワーク技術などを駆使するため、特許出願においても他の分野にはない独自のノウハウが必要となります。
例えば特許の出願には「図面」の提出が必要となりますが、ソフトウェア媒体特許にはハードウェアの「構成図」やシステム処理の流れを記述した「フローチャート」などが必要となります。

また、各種図面に示した技術のどの範囲を権利として申請するかを定める「特許請求の範囲」の書類作成にあたっても注意が必要です。
ソフトウェア媒体特許の場合には「プログラム」に加えて「サーバーコンピューター」「クライアントコンピューター」「ロジック(方法)」「記憶媒体」など複数の項目を適切に申請範囲に加えるようにしなければなりません。

ソフトウェア媒体特許の取得の難しさ

以前のコラム欄で、ビジネスモデル特許について紹介しました。ビジネスモデル特許は、「コンピューターシステム及びインターネットを使用して構築されたビジネス手法」であり、実はソフトウェア媒体特許のひとつと言えます。

こうしたIT技術をベースとするビジネスモデルの発明を含め、ソフトウェア媒体特許は急速な勢いで発展を続けるIT技術をベースとしています。スマートフォン、ウェアラブル端末など新しいハードウェアもどんどん出てきています。

そのため特許庁の審査においても、通常の審査ガイドラインではなくソフトウェア媒体特許の場合には特別な審査ガイドラインが適用されることになります。

このように専門性の高い知識・ノウハウが要求されるため、ソフトウェア媒体特許についての相談・依頼は、必ずIT技術に精通した特許事務所・弁理士に依頼するようにしてください。

この記事を書いたプロ

中井国際特許事務所 [ホームページ]

弁理士 中井博

香川県高松市国分寺町新名440-21 松岡ビル3F [地図]
TEL:087-874-3377

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
中井博 なかいひろし

知的財産の正しい理解と、保護をサポートする専門家(1/3)

 「知的財産」という言葉を耳にしたことはありますか。これは、人が生み出した価値のある情報のことで、例えば、私たちの生活を豊かにするような新しい技術やアイデア、気持ちを豊かにする音楽や小説など、身の回りのさまざまなものが含まれます。しかしこれ...

中井博プロに相談してみよう!

テレビせとうち マイベストプロ

機械分野の専門知識を持ち、機動性に優れたサポートに強み

会社名 : 中井国際特許事務所
住所 : 香川県高松市国分寺町新名440-21 松岡ビル3F [地図]
TEL : 087-874-3377

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

087-874-3377

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

中井博(なかいひろし)

中井国際特許事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
特許取得のプレスリリース。タイミングを間違えると出願ができない場合も

 プレスリリースを早まるべからず 特許取得は非常に大きなPR効果を生むため、少しでも早く宣伝広報にも手を打...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

特許の拒絶理由通知。あきらめずに専門家へ相談を

 拒絶理由通知書は審査落ちではありません 特許の出願をしたあと、審査の結果「拒絶理由通知書」が送られてき...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

特許侵害された時の対応

 特許侵害を受けた場合の具体的対応 前回のコラム欄で、自社特許の侵害が疑われる際の初動対応について紹介し...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

特許を侵害されたと感じたらまずどうするか?

 他社の特許侵害を疑ってもまずは慎重な行動を 自社が持つ特許を「侵害されているのでは?」という事例が判明...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

国内優先権制度の趣旨・メリットは?

 国内優先権制度とは ある特許を出願したあとに、その技術をさらに改良して新たな技術を開発できるケースもよ...

[ 弁理士のいつでも特許相談@高松 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ