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コラム

 公開日: 2015-11-05  最終更新日: 2016-03-16

負債を抱えた会社の事業承継準備

事業承継の準備は早めに現状把握を

事業承継の準備はなるべく早くはじめましょう。
社長が完全に引退し、経営を後継者にバトンタッチするためには、事業承継のためのいろいろ準備をしなければなりません。また、しばらくの間現社長が後継者を伴走できれば、よりスムーズに引き継げます。ちなみに㈱日本政策金融公庫「中小企業の事業承継」によると、後継者の育成期間は8割以上の企業が3年以上かかるという回答があることからも早い時期からの準備の必要性が分かります。

事業承継を考えはじめて、まず取りかからなければならないことは、会社と社長自身の現状を正確に把握することです。会社の経営資源や経営リスクがどうか、社長自身の財産、債務の状況はどうか、後継者の候補はいるのか、また後継者がいるとするならばその人の資質等がどうか、相続が発生した場合にはどのような問題が発生するかなどを把握します。
会社の経営資源や経営リスクとは、会社を取り巻く環境や将来の予測、資産と負債の詳細な内容、従業員の状況などさまざまな観点から確認することをいいます。

負債の現状把握は、まずその負債が会社のものなのか、社長個人のものなのかを明確にしなければなりません。長い期間を経て、会社の負債と社長個人の負債が区別つかなくなるほど曖昧になってしまうことは、中小企業ではよく見られる事象です。後継者になる者が現在の社長の親族であれば、仮に社長の負債が含まれていても事業継承にそれほど支障をきたさないかもしれませんが、親族以外の従業員や外部の人間を後継者にする場合は、この点を明確にしておかないと後で大きなトラブルを招くことにもなりかねません。
また負債のうち金融機関からの借入金が過大にある場合には、さらに注意が必要です。

借入金だけでなく保証の確認も

会社に借入金がある場合、会社の経営状態から考えて完済できるかどうかが、とても重要になります。経営が順調で資産も十分にあり、借入金の返済がいつでもできるような状況であれば問題はありませんが、そうでない場合は事業承継の準備や方法に大きな影響を与えます。
なぜならば借入金がある会社の事業承継の場合、ほとんどの後継者は金融機関から現社長の保証人としての債務を引き継ぐよう求められますし、状況によっては引退する現社長の保証もすぐに外してもらえないことがあるからです。最近では、借入の際に社長に保証を求めないような指導がされてはいますが、これまでの借入に対しては社長が保証をしていることが一般的です。ですから現状把握はどこにいくら借入金があり、まただれがどの借入金にどのような保証をしているかの確認が絶対に必要です。

経営状況が悪い会社の事業承継は、会社の資産負債の承継とともに連帯保証の引き継ぎも考えたうえで、引退の方法をしっかり考えましょう。

借入金をできるだけ圧縮する

借入金の現状が明確になったら、次に行うことはいかに借入金を圧縮するかを考えることです。借入金をできるだけ圧縮し、それでも残る借入金の金額や会社の経営状況、事業承継をする時期などを考慮し、正常な期間での返済が可能という判断ができた場合には、事業承継計画書などを作成し、事業承継の準備をすすめましょう。
反対に現状どうやっても借入金の返済は難しいと判断した場合には、事業承継そのものを考え直す必要があるかもしれません。後継者に過大な借入金を引き継がせることは避けるべきです。

返済が難しいと判断した場合の方法として考えられるのは、事業譲渡や会社分割などです。借入金や保証人の問題があるため、たいていの場合は簡単にすすまないことが予想されます。また事業をやめるとしても同じ問題が残るため、どの方法を使うにしてもできるだけはやく取りかかり、借入金は圧縮し、会社を残し後継者に引き継ぐのか、譲渡や分割を廃業するのかを判断するようにしましょう。

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