コラム

 公開日: 2015-05-05 

遺留分の放棄とは

遺留分は、一定の条件をクリアすれば放棄も可能

遺留分は、相続財産の一定割合について、一定の相続人に確保することで、被相続人の財産に依存して生活していた家族の生活を保護する役割があります。しかし、あくまで権利なので、遺留分権利者が望まないのであれば、放棄することもできます。

遺留分は生前放棄には、家庭裁判所の許可が必要

まず、相続が開始した後、つまり、被相続者の死後に遺留分を放棄することは自由です。遺留分減殺請求権を行使するかどうか、各相続人が自由に判断できるのと同じことです。しかし、被相続人の生前に自由に放棄することは民法で認められていません。「被相続人などから放棄するように圧力をかけられた」、「今、これをあげるから放棄して欲しいと頼まれ放棄したが、実際にはもらえなかった。もらえたが結果として損だった」などのトラブルに発展するケースが考えられるためです。ただし、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、遺留分の放棄ができると定められています(民法1043条)。 家庭裁判所では、① 遺留分放棄が推定相続人本人の自由意思に基づくものであること 、② 放棄の理由に合理性と必要性があること 、③ 何らかの代償性があること。これらの基準から請求に正当な理由があるかどうか判断します。
遺留分を侵害するような遺言を作ってしまうと、遺留分を巡る争いが起きる危険を残してしまいますが、遺留分権利者が真に同意し、家庭裁判所の許可も得られるのであれば、遺留分を巡る紛争を防ぐことができます。

遺留分を放棄しても、相続権利者であることは変わらない

また、遺留分の放棄と相続放棄が異なることも押さえておきましょう。
相続は被相続人の権利も義務を受け継ぐことです。そのためプラス財産の相続とともに、負債も相続することになります。確実にマイナスの財産が多い場合には、相続放棄という手段も選択肢になります。相続放棄によって、その人は最初から相続人ではなかったことになります。すると、同順位の他の相続人の相続分が増えます。もし同順位の相続人がいなければ、次順位の人が相続人になります。一方、遺留分の放棄の場合には、放棄がなされても、他の遺留分権利者の遺留分が増えるということにはなりません(民法1043条2項)。また、遺留分の放棄をしても、その相続人の相続権自体がなくなるわけではないため、遺産分割協議の当事者であることは変わりません。被相続人が負債を残した場合、負債のみを相続するという事態に陥る事もあるので注意が必要です。

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