コラム

 公開日: 2015-06-03 

遺言の効力に疑いがある例

相続人の間で遺言書の効力に疑問が!?

被相続人の死後、遺言があることが分かると、原則、遺言の記載にしたがって誰かが遺産を取得することになり、相続人間で遺産分割協議も行われません。しかし、その効力に疑問をもつ方がいるかもしれません。特に、ご自身に不利な内容の遺言が見つかった場合、その方は、遺言の効力に疑いをもつでしょう。そのような場合、形式的な要件(主に自筆証書遺言の場合)、遺言能力について、それぞれ検討を加えていき、有効性を検討していきます。相応の根拠から、遺言の効力に疑いがあると考えれば、遺言無効確認訴訟を提起することを考えることになります。
では、具体的に何を検討していけばいいのでしょうか。

公正証書遺言では、遺言者の遺言能力が争点

公正証書遺言の場合は、まず、遺言がなされた日時を確認してください。どんなに古くても、新しい遺言がない限りは、その遺言を検討することになります。そして、その日時に、遺言をされた方が、どういう状況にあったか確認してください。例えば、その頃、すでに認知症が進んでいておよそ物事の判断ができないはずであったという時期であれば、遺言能力が失われていた可能性があり、遺言の効力に疑いがあるといえます。介護施設の入所記録や病院のカルテ、介護保険の要介護度認定の記録等に、遺言者の状況を客観的に判断した記録が残っているはずです。もし訴訟手続きを進める場合は、これらを取り寄せ、遺言者が自らの意思でそのような遺言を作成することが医学的に見て難しいことを証明することになります。

自筆証書遺言では、複数の要素を確認

自筆証書遺言の場合も、遺言がなされた日時を確認し、その頃、遺言をされた方の判断能力がどうであったか確認してください。遺言能力が失われていたといえれば、遺言の効力に疑いがあるといえます。
また、自筆証書遺言の場合、「自書」しなければなりません。そのため、例えば、遺言がなされた日時に、利き手の手指に障害があって、自書できたはずはなかった、というような事情があれば、「自書」していない可能性があります。
そして、遺言の内容に不明な部分がある、例えば、遺産すべてを特定の一人に渡すような記載がある一方で、Aさんに対して、相続人全員で平等かつ円滑に処理して欲しいというような記載もある場合、誰にどのように分けるべきかはっきりせず、遺言者の意思もくみ取ることができません。
このような場合、遺言の効力に疑いがあると考えられるでしょう。

この記事を書いたプロ

滝口・上枝法律事務所 [ホームページ]

弁護士 滝口耕司

香川県高松市寿町一丁目2番5号 [地図]
TEL:087-821-7801

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
滝口耕司 たきぐちこうじ

個人からの相談で急増している「遺産相続」(1/3)

 JR高松駅の徒歩圏内にある「滝口・上枝法律事務所」では、現在4人の弁護士が在籍。交通事故や離婚、多重債務問題など、さまざまな案件を広く扱っています。代表の滝口耕司さんは弁護士として事業主や個人からの相談に携わる一方で“弁理士”として、特許...

滝口耕司プロに相談してみよう!

テレビせとうち マイベストプロ

遺産の分配や放棄、遺言書作成など、さまざまな局面に対応

会社名 : 滝口・上枝法律事務所
住所 : 香川県高松市寿町一丁目2番5号 [地図]
TEL : 087-821-7801

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

087-821-7801

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

滝口耕司(たきぐちこうじ)

滝口・上枝法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
相続制度のゆくえ

相続制度は、今後、どのように変わっていくのでしょうか。時代の流れによって人々の考え方や価値観は変わって...

[ 相続問題:相続制度全般 ]

婚外子がいる場合の相続

 婚外子にも法定相続分がある あなたに婚外子がいる場合、死後に備えてどのようなことを注意しておかなければ...

[ 相続問題:婚外子の相続 ]

老後のための遺産管理財産管理に任意後見契約

 元気なうちに、将来財産管理をしてくれる人を定める 老後いつまでも、ご自身で財産管理ができるとは限りませ...

[ 相続問題:老後の財産管理例 ]

老後のための財産管理に財産管理委任契約

 早めに財産管理に備えるなら… 老後のため、どなたか信頼できる方に財産の管理をお願いしたい、元気なうちに将...

[ 相続問題:老後の財産管理例 ]

公正証書遺言が無効になるケース

 公正証書遺言が無効になるのは稀なこと 公正証書遺言は、公証役場で公証人に作成してもらう遺言のことです。...

[ 相続問題:遺言無効に関するトラブル対処 ]

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ