コラム

 公開日: 2015-06-04 

老後のための財産管理に財産管理委任契約

早めに財産管理に備えるなら…

老後のため、どなたか信頼できる方に財産の管理をお願いしたい、元気なうちに将来の備えをしておきたい、とお考えになる方もいらっしゃると思います。
そのような場合、広く知られているのが「任意後見契約」を利用することです。ただ、任意後見契約は、精神上の障害によって、財産の管理等ができなくなった場合を想定しているため、未だ精神上の障害がない段階では、財産の管理等を委ねることはできません。また、その他、法律上、種々の決まりがあります。
そこで、知っておきたいのが「財産管理委任契約」です。

財産管理委任契約なら、当事者間で自由に決定できる

「足が悪くて日常的に銀行へ行くことが負担だ」「手が震えて字を書くことが難しい」など、「精神上の障害に至っていない段階でも財産管理をお願いしたい」「死後の財産管理までお願いしたい」などというケースがあります。「財産管理委任契約」なら、任意後見契約よりも、自由な形で財産管理を委ねられます。
契約することで、通帳やカードを財産管理者へ預け、ご本人の代わりに日常生活や通院などに必要となるお金の引き出しや、水道光熱費、家賃などの支払の手続き、年金など収入の管理を、代行してもらえます。また、財産の管理等をお願いする時期や条件を自由に定めることができます。民法上の委任契約の規定に基づくため、当事者間の合意のみで効力が生じ、内容も原則として自由に定めることができるのです。

自由度が高い分、注意も必要

ただ、自由に定めることができる反面、任意後見契約のように裁判所の監督もありません。ご本人にとっては、長い人生において苦労して積み重ねて築いてきた大切な財産の管理を委任する契約です。お願いする方が本当に信頼できる方なのか、財産管理の内容が必要十分なものか、財産管理をする方に有利になりすぎていないか等、契約内容は、慎重に検討する必要があります。また、任意後見契約とは異なり、公正証書が作成されないため、社会的信用が十分とはいえないという心配もあります。
また、委任する相手は、血縁者はもちろん、内縁のパートナー、友人・知人、士業者など、問いません。将来、相続財産となりうる財産を扱うことになるため、推定相続人と後々トラブルにならないよう配慮も必要でしょう。遺言をする場合には、特に注意が必要となります。
財産管理委任契約を検討するに当たっては、専門家に御相談されることをおすすめします。

この記事を書いたプロ

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弁護士 滝口耕司

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