コラム

 公開日: 2015-04-19 

自筆証書遺言のポイントと事例

もっとも作りやすい遺言「自筆証書遺言」

一口に遺言といっても、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つがあります。遺言を作成する前に、それぞれの特徴や作成方法をしっかり理解しておく必要があります。
「自筆証書遺言」とは、遺言者が①遺言書の内容すべて、②日付け、③氏名 を自書して、押印することによって作られる遺言です(民法968条1項)。
最大のポイントは、すべての部分を「自書」するということです。ワープロで書かれたものや代筆は、たとえ氏名の部分が自書されていても無効になります。録音テープやレコーダーに録音された遺言も、一般には無効と考えられています。言い換えれば、自分で文字を書くことができれば、いつでも、どこでも、費用もかけずに遺言を作成できるということでもあります。もっとも簡単な方法です。

自筆証書遺言は手軽なだけに、注意点も多い

自筆証書遺言は、簡単に作成できる反面、紛失してしまったり、誰かに破り捨てられてしまったり、隠されてしまったり、作り変えられてしまったりするおそれもあります。
また、作成しやすい分、いろいろな書き方をする人がいます。自筆証書遺言では有効か無効かで争われるケースも少なくありません。
問題とされた事例として、誰かが「添え手」をして遺言が作られた例があります。個々の事情によりますが、無効とされる場合もあります。日付けについても裁判で争われた例があります。「7月吉日」と書かれたものは、無効と判断されています。カーボン紙を用いて複写の方法で遺言が作られた例もありますが、裁判所は、これは有効と判断しています。
遺言書の紙の種類に決まりはありません。ただ、長期保存が必要になるかもしれないため、それに耐えうる用紙を選ぶことも必要でしょう。

検認」の手続きが必要

遺言者が亡くなった後に、手続きが必要なことも自筆証書遺言の特徴です。遺言を保管していた人や遺言を発見した人は、すみやかに遺言を家庭裁判所に提出します。そして「検認」の手続きをとらなければなりません(民法1004条)。
検認とは、相続人に対して遺言の存在およびその内容を知らせるとともに、内容を明確にして遺言の偽造・変造を防止するための手続きです。このとき、遺言が無効と判断されるようなことはありません。
自筆証書遺言を家庭裁判所に提出しなかったり、検認を経ないで遺言を執行したり、家庭裁判所外で開封をした場合、過料に処せられることにも注意しておきましょう。

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