コラム

 公開日: 2015-04-20 

公正証書遺言のポイントと事例

口頭で述べるだけで正式な遺言ができる

公正証書遺言とは、公証人が作成する公正証書で作られる遺言のことをいいます。公証役場において、遺言者と証人2人の立会いの場で、遺言者が口述した内容を公証人が筆記して遺言書を作成します。
専門家である公証人が、遺言を作る手続きを進めていきますので、遺言者自身が、形式的な要件をみたしているかどうか、気にしながら作っていく必要はありません。「遺言したい内容を伝えればよいだけ」といってよいです。
自筆証書遺言は、全文を自書しなければならないため、病気などで自書が困難な場合、遺言をすることはできません。しかし、公証人に依頼する公正証書遺言なら遺言をすることができます。
公証人や書記は、職務上知り得た秘密を他に漏らさないことを宣誓しています。また、証人が民法上の秘密保持義務を負うことは明らかです。公証人の側や証人から、遺言公正証書を作成したことや遺言の内容が漏れる心配はありません。

保管方法や偽造の心配もない

公正証書遺言を作成するとき、対象とする財産の価値に応じた費用がかかります。しかし、公証人が聞き取った上で作成するので、証拠としての価値が非常に高いです。家庭裁判所で検認の手続を経る必要がないので、相続開始後、すみやかに遺言の内容を実現することができます。
また、遺言の内容が公証役場の原簿に記入されるため、無くしてしまったり、偽造されたり、誰かに隠されてしまったりする心配はありません。遺言者には原本と同一の効力を有する正本が渡されます。万一、正本を紛失しても再交付を受けることができます。
遺言を残しておくためにはもっとも確実な方法といえますので、公正証書遺言によることをおすすめします。

公正証書遺言にも弱点が…

ただ、公正証書遺言でも、裁判で無効とされてしまう例があります。「遺言能力がなかった」と裁判所が判断した場合、公正証書遺言の効力が否定されます。遺言能力の判断は、遺言者の年齢・当時の病状・遺言してから死亡するまでの間隔・遺言の内容の複雑さ(本人に理解できた内容であったか)・遺言者と遺言によって贈与を受ける者との関係などが考慮されます。
なお、遺言者本人が病気などで、公証役場に行けない場合、公証人に来てもらうことができます。必要に応じ、問い合わせてみると良いでしょう。

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