コラム

 公開日: 2015-04-21 

秘密証書遺言のポイントと事例

自分が死ぬまで、一切内容を知られることはない

秘密証書遺言とは、「内容」を秘密にしたまま、「存在」のみを証明してもらう遺言のことです。つまり、生前、遺言の内容は完全に秘密にしておきたいけれど、遺言をしたこと自体ははっきりさせておきたいときに使われます。
自筆証書遺言や公正証書遺言に比べると、あまり利用されていませんが、自筆証書遺言と公正証書遺言のいいとこ取りをしたような性格を持ちます。

証明されるのは「存在」であるため、検認は必要

まず遺言者は、遺言をつくります。遺言そのものは、第三者が記載したり、パソコンで作成したりしても問題ありません。しかし、署名・押印は遺言者がしなければなりません。そして、遺言書に封をして、公証人のところに持っていきます。このとき、遺言書に押印した印鑑と違うもので封印すると、遺言が無効になってしまうので注意しましょう。
公証人には、その封の中に遺言が入れられていることを証明してもらいます。公証人と2名以上の証人の前で提出するといった手続きがとられますが、公証人の案内に従って進めていけば足ります。提出する遺言書はすでに封をしている状態なので、遺言書そのものを公証人や証人が見ることはありません。
公証人に「存在」を証明してもらえるので、自筆証書遺言のように、遺書が本物かどうか問題になることがなく、また、公正証書遺言のように遺言の「内容」を人に見られることがないのが大きな特徴です。
秘密証書遺言書では、遺言が公証役場に保管されることはなく、作成したことだけが公証役場の記録に残ることになります。保管は自分で行うことになるため、紛失、偽造、破棄などをされるおそれもあります。
また、遺言者が亡くなられた後、すみやかに遺言を家庭裁判所に提出して、「検認」の手続きをとらなければなりません。もし、検認手続前に誰かが秘密証書遺言を開封してしまうようなことがあれば、その秘密証書遺言は無効となります。

秘密証書遺言として無効でも、自筆証書遺言として有効なことも

公証人に提出する際、公証人は、遺言の「内容」までは確認しません。そのため、遺言としての要件が欠けており、無効となってしまうケースもあります。もし秘密証書遺言として無効になったとしても、自筆証書遺言の形式に従って作成し、自筆証書遺言の要件を満たしていれば、自筆証書遺言としては有効となります。秘密証書遺言を作成する際は、念のため自筆で書いておくことが望ましいでしょう。

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