コラム

 公開日: 2015-04-22 

その他遺言 特別方式

危篤、遭難など、特殊な状況下でも遺言は可能

遺言の方式には、普通方式と特別方式があります。自筆証書遺言、公正証書遺言および秘密証書遺言は、普通方式に分類されます。これは、遺言者の望むタイミングで遺言の準備を進めることができ、一般的に行われているものです。
遺言者の最終意思を実現させるために、民法で、厳格な要件が定められているという特徴があります。一方、特別方式とは、死亡の危機が迫っている場合などに行うものです。病気、伝染病で隔離されている、船舶内などやむを得ない状況でも遺言ができるように、普通方式に比べ、要件が緩められています。

死期が迫ったときは、口頭でも遺言できる

特別方式の遺言には、①危急時遺言、②隔絶地遺言、があります。
①危急時遺言とは、遺言者が、死亡の危機に瀕している場合に認められる遺言の方式です(民法976条)。遺言者が、署名・押印もできないような危機に瀕している場面が想定されており、口頭での遺言が認められています。証人が本人の口述に基づき遺言を筆記し、他の証人がそれに署名することで成立します。ただ、これは遺言者自身が書いたものではないため、真意であるかどうか、後日裁判所での確認が必要です。また、裁判所の確認と検認は異なるものであるため、検認も省略することはできません。
「死亡の危機」であるかどうかについては、医師の診断などの必要はありません。遺言者の主観などによって判断することも可能です。
危急時遺言には、一般危急時遺言(疾病、老衰、負傷などによって死亡の危機が迫っている場合)と難船危急時遺言(船舶が遭難した場合、飛行機の遭難にも認められる)があります。

伝染病で隔離されている、刑務所服役中でも遺言できる

②隔絶地遺言とは、一般社会との自由な行き来が遮断された場所にいるために、普通方式による遺言ができない場合に認められる遺言です。伝染病隔離者遺言(民法977条)と在船者遺言(民法978条)の2種類があります。
遺言者は交通が遮断されている状態にありますが、危急時遺言に該当するような死亡の危機に瀕しているわけではありません。そのため、危急時遺言ほど要件が緩められているわけではありません。一般の遺言よりも、簡単な手続によることが認められています。遺言は、口頭によるものは認められておらず、本人が書かなければなりません。裁判所の確認手続は不要ですが、検認は必要です。
なお、特別方式の遺言は、事情により普通方式遺言が不可能な場合に用いられます。普通方式遺言が可能になってから6カ月間生存した場合は、その遺言は無効となります。

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