コラム

 公開日: 2015-06-09 

地震に強い家作り~土地選び・地盤調査の重要性

建物を構成する部材以上に建物を乗せる地盤が重要に

建物はさまざまな部材を組み合わせて、現場で各職人さんが建てていきます。
その部材(構造部材)それぞれの組み合わせと留め方が、正しく性能を発揮しなければ家として完全なものにはなりません。部分的にでも不良個所があれば、そこに力が集中し「ひずみ」が生じ、倒壊につながります。

建物を構成する部材以上に、建物を乗せる地盤が重要になります。
現在は、「住宅瑕疵担保履行法」が平成21年10月1日より施行され、10年間の構造や雨漏れの欠陥に対して保障が義務づけられ、万一の時のために保険に加入するか供託金を法務局に供託する必要があります。

そのために、第三者機関の検査を各工程で受け、地盤調査報告書を提出し、それに基づき、適正に基礎の選択がなされているか、地盤の安全性に問題はないかを検証します。
以前は、地盤調査をせず建物を建て、不動沈下などで建物に被害が生じる事例がありました。

地盤と建設地

しかし、それで建設地として安全かと言うと、知らないと見落としがちなところがあります。地盤調査により、建物を建てる地面は安全であっても、建設地として安全かどうかということです。

一つは
地震災害の中で、「土砂崩れ」の被害があります。香川県全域に適用される「がけ条例」に関することです。
建設地が「周囲の隣接地と3m以上かつ30度以上の勾配」がある場合は、がけ地として崩れる恐れがあり、その建設地には原則建設ができないこと(法規で定められた処置をすれば、建設可能な場合があります)。

二つ目は
上記にも関係しますが、土留め(擁壁)のことです。
建設地が道路や周囲より低い場合に、土留め(擁壁)をし、盛土して地盤面を上げます。
その際、周囲との地盤面の差が2mを超える土留め(擁壁)の場合には、事前に建築基準法による建築確認申請をし、工事完了の検査に合格しなければ、建物を建てることができません。
意外にも、住宅地などを仲介する不動産業の方や、土留め(擁壁)工事を行う土木業者の方が知らないのです(それぞれの関わる法律が違うかもしれませんが)。

それがために、土木工事業者に土留め(擁壁)工事を行い、その後に当社に設計、建設依頼がありましたが、現地を確認したところ建築基準法の規定通りの工事がなされておらず、当然必要な建築確認申請や完了検査を受けていないため、建築工事の受付がなされず、完成している土留め(擁壁)そのものを、規定通りの工事にやり替えしなければならない事例もありました。これでは、余分な費用が掛かります。

上記二つは、建物を建てる以前に注意しなければならないことです。

地形により表層面は堅そうに見えても不動沈下が起こる場合も

また、地形により表層地盤面は堅そうに見えても、地中の深い部分が河底などの砂質層や地下常水面が低い場合は、地震の揺れが増幅されたり、液状化現象(地面の地耐力がなくなり、土中の水分が地面に吹き出す現象)により、建物の不動沈下が起こります。

同じように農地を宅地化する場合に、田の粘土層を十分取らずに盛土したため、敷地内の雨水がぬけず、長年の住宅の重みで徐々に粘土層の水分が抜けて建物の不動沈下の原因になるケースもあります。

建設地の購入や、上記に当てはまるような場合には、事前の調査が必要です。

この記事を書いたプロ

有限会社 谷野設計 [ホームページ]

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