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コラム

 公開日: 2015-11-21 

病院内接遇委員会の取り組み方とその注意点

病院内で必要な接遇意識の改善

ここ数年、医療の分野でも「接遇」を取り入れ、患者対応を見直す試みがなされています。
厚生労働省でも平成23年度の厚生労働白書の中で、質の高い医療サービスの安定的な提供の為に医療を担う人財の質の向上を掲げています。その上で、患者と家族とともに各医療スタッフの連携といった「チーム医療」の推進も取り組むべきこととしています。
また医療機関が、(財)日本医療機能評価機構の認定を受ける上でも、患者満足度はとても重視されることから、医療技術や専門性の向上だけでなく、患者の多様なニーズに見合う応対力を身に付けることが求められるようになりました。
その具体的な取り組みとして、院内で「接遇向上委員会」を発足させ、医師・看護師・医療事務担当者といった全職員に対しての接遇意識の浸透と、改善の強化を図っています。ですが、一番大切なことは、接遇委員会を発足させ定期的に集まることが目的ではなく、接遇委員会を中心にいかに全ての職員が「患者対応をより良く行えるようになるか」ということです。

カンファレンス

接遇委員会開催の院内研修実施における注意点

医療機関での接遇委員会の活動状況をいくつか拝見したところ、患者対応の向上と医療接遇のスキルを身に付けるというよりはむしろ、患者のみなさんからのアンケート結果や意見箱に寄せられた案件やクレーム事案に対する反省や情報共有が主なものと感じられます。
医療機関での様々な活動や取り組みにおいて、スタッフの勤務体制や業務上の時間的制約の中、頻繁に集まることもできないのが現状でしょう。また限られた時間の中スタッフが一同に会しても、カンファレンスをはじめ、医療技術や製薬会社からの新薬の説明等が中心で、患者対応や接遇といった内容に触れることは極めて難しいと言えます。
ですが…、どんなに医療技術が向上したとしても、新薬の効果が素晴らしくても、患者から症状をしっかり聴き取り、その上で的確な判断を分かりやすく説明し、病気やけがを治す為の処置や投薬方法を適切に伝えなければ、医療機関としての意義がなくなります。
そして対応が悪い病院は、患者の足が遠のくといっていいいでしょう。
医療接遇は、患者とのコミュニケーションの根幹です。その為にも、年間に2~3回は、接遇委員会を中心として、外部講師による「医療接遇研修」を開催することをお勧めします。
時間帯は、診療時間を終えた後に全職員での研修を最初に90分から120分設けて、「全職員で接遇に取り組む」ことと「なぜ必要なのか?」を、中心に動機づけとすぐに取り組める改善方法として、第一印象の向上を行います。
その後、第2回目に医師と医療従事者、第3回目に医療事務担当者という具合に、二つの部門に分かれての研修を開催するとよいでしょう。
最初の全職員で同じスタンスでの取り組みを確認する動機づけは、診察終了後の夕方から夜の開催もしくは午後から休診の日程を予定される医院が多いといまえす。診療終了後というお疲れのところでの開催となりますが、皆さんが落ち着いて研修に集中できることが一番のメリットです。
担当部署ごとの開催は、昼食後から午後の診察までの休み時間を使った研修を短時間で行うという方法もあります。40分から診察時間ギリギリまでの60分といった研修時間のご依頼が一番多いといえます。その場合、ロールプレイングで皆さんが実際に動いてみるというまでは、時間が取れませんが、前に映し出されたPower Pointの改善ポイントを、その日の研修用に作成されたレジュメに書き込みながら、確実に身に付けていくといった研修をお勧めしています。限られた時間の中で、特に会話力の向上と患者目線でのお声かけの仕方を中心に進めますが、Power Pointで事前に作成したものを投影させなから講師が説明するので、ホワイトボードに講師が板書したものを受講者の皆さんが書き写すよりも、はるかに時間を有効に使えます。実際に、受講された方々からは、短時間に濃い内容が学べたと感想が寄せられています。ただ、午後からの診察の準備や体力的な面からも、研修を受講しながら頭は午後の診察の事をつい考えてしまうのが現状。これまで私自身が研修実施で感じた上で皆様にお勧めするのは、やはり慌ただしい中での研修よりは、診察終了の夕方から夜といった時間帯が一番ということになります。
この場合、お昼間までのパート勤務の方や小さいお子様をお持ちの方にとっては、参加が難しいのが現状です。ただ、経営者側・医院長や管理職の方々が、一番受講してもらいたい対象者・改善を期待する対象者こそ、若い医療従事者と再雇用で職場復帰した方々といえます。
院内接遇向上委員会では、それらのことを十分に把握し、研修開催の時期、実施時間帯、受講対象者といった事柄に加え、研修時間の確保と時間配分を考慮する必要があるのです。

この記事を書いたプロ

谷澤優花 [ホームページ]

マナー講師 谷澤優花

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